自動運転フォークリフトの最先端 「誤差2cm」の世界

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千葉卓朗
【動画】最先端の自動運転フォークリフト実証実験=豊田自動織機提供
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 開発が加速するクルマの自動運転。その最先端を走るのは実は、工場や倉庫で荷物を運ぶフォークリフトだ。世界最大手の豊田自動織機愛知県刈谷市)は、人間の作業なみの「誤差2センチ以下」の精度に挑んでいる。

 年間約6万台をつくる世界最大級の産業車両の生産拠点、豊田自動織機高浜工場(愛知県高浜市)で6月、「自動運転レベル4」相当の試験運転が行われた。荷役用のツメ(フォーク)を車体前面に備えたカウンター式電動フォークリフト「ジェネビー」(2・5トン積み)を改

造した試作車の運転席は無人。ハンドルだけがせわしなく回転し、大型トラックの荷台に向かって進む。同時に、車両前方のフォークが上昇。荷物が載るパレットの穴の位置に狙いを定め、速度を落としてゆっくりと差し込み、荷物を持ち上げた。

 フォークリフトには、車両走行だけでなく、フォークの操作の自動化も必要だ。フォーク1本の寸法は幅12センチ厚さ4センチ、長さ約1メートル。幅26センチ高さ9センチのパレットの穴の奥まで正確に差し込むためには、車両の正面がパレットと平行に向き合う必要がある。求められるのは人間の一般的な作業なみの「誤差2センチ以下」の高精度だ。

弧を描く走行ルート、パレット穴にぴたり

 車両正面に搭載するのが、レーザー光で物体を捉えるセンサー「3Dライダー」と高精度カメラ。異なる二つの「目」で、荷物の大きさや正面の向きを正確に把握する。そのデータを元に独自開発のアルゴリズムで計算し、車載コンピューターが走行ルートを算出する。車両は、約5メートル手前の地点から弧を描いて進んで荷物の真正面に回り込み、フォークをパレットにぴったり差し込む。作業を繰り返すと、人工知能(AI)が学習し、作業スピードが速くなるという。

 現在の作業時間は、人間の運…

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