崩れた政府のシナリオ 感じられないファンと選手の絆

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記者コラム「多事奏論」 編集委員 稲垣康介

 死の淵から生還してくれ。祈りを込めた野太い連呼がスタジアムにこだました。

 サッカーの欧州選手権デンマークのクリスティアン・エリクセン選手が意識を失い、ピッチに倒れた。心肺蘇生の応急措置をした後、担架で運ばれた。試合は一時中断。対戦するフィンランドのサポーターから「クリスティアン!」の声が上がった。呼応してデンマークの応援団から「エリクセン!」。数回のやりとりの後、無事を祈る連帯の拍手が場内を包んだ。幸い、エリクセン選手は回復した。

 ファンと選手の絆を感じるのは、サッカーに限らない。フェンシングの五輪メダリスト、太田雄貴さんは競技普及のために学校訪問をしてきた。模範試合では盛り上げ役を買って出る。「応援することがどれほど素晴らしいかを伝える代弁者になりたい。声援がない会場ほど、選手にとってつらいものはない」。太田さんの思いはスポーツ観戦の枠組みにとどまらない。

 「頑張る人の足を引っ張り、出る杭を打つ社会ではなく、背中を押す文化を根づかせたい。ねたみやひがみと無縁な社会なら、未来は明るいはずじゃないですか」

 残念ながら、コロナ禍の東京…

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