辻井伸行さんや佐渡裕さんのCDをエイベックスで作る人

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南日慶子
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凄腕しごとにん

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ピアニスト辻井伸行氏のCDを手に取る中島浩之社長。面白さを求めるだけでなく、ベートーベン交響曲全集なども作る=東京都港区、大野洋介撮影

エイベックス・クラシックス・インターナショナル 社長 中島浩之さん(58)

 ピアニストの辻井伸行氏、指揮者佐渡裕氏といったアーティストのCDを制作する音楽会社エイベックス・クラシックス・インターナショナル。邦楽で知られるエイベックスで、クラシック専門のCDの制作から、コンサートの制作運営、アーティストのマネジメントなどを手がけるグループ会社だ。この社長を務める。年間約150公演を手がけるプロデューサーでもある。

 中学、高校では吹奏楽部、大学ではオーケストラ部でトランペットを吹き、大学卒業後、いったんはリコーダーの会社に就職したが、新聞広告で見つけたワーナー・パイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)のクラシック専任担当に応募し、27歳でプロデューサーの道に。40歳でエイベックスに移った。

 「音楽業界にいても、クラシックは分からない、と言う人が多い。どうしたら構えずに聞いてもらえるかを考えてきた」。ワーナー時代に手がけたCDの一つが「サルでもわかるクラシック」。読売テレビの深夜番組に登場するサルのキャラクターを使い、「クラシック・アレルギーを吹っ飛ばせ」をテーマに、ショパンの「別れの曲」、メンデルスゾーンの「結婚行進曲」などテレビや結婚式でよく耳にする曲を収録した。入門CDだが、ヨーロッパ室内管弦楽団など一流オーケストラが演奏する。「敷居は低くするが、中身は本格的に」がモットーだ。

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聞く人にストレスがかかる曲だけを集めたCDも。「癒やしのアルバムをたくさん作ってきたので、そうじゃないものも」=大野洋介撮影

 エイベックスに移ってから制作したCD「Yes We Can!―オバマ・クラシック」は、当時のオバマ米大統領の演説がクラシック的だと思い、演説とクラシック音楽をリミックスしたアルバムだ。在日米国大使館にも企画を伝えて、世に送り出したという。CD作りで何度も曲を聞いてきたため、「クラシック版のイントロクイズをやったらかなり強い」と自負する。

 アーティストとの出会いを大切にしてきた。佐渡氏とは、20年以上のつきあい。ワーナー時代、プロの吹奏楽団シエナ・ウインド・オーケストラを指揮をすると聞き、CDの録音を持ちかけた。著名なオーケストラの指揮者吹奏楽を指揮するのは珍しかったからだ。

 辻井氏との出会いも、佐渡氏…

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