第3回安倍前首相、派閥を統治の道具に 新しいリーダー育たず

有料会員記事

聞き手・蔵前勝久
写真・図版
中北浩爾・一橋大教授
[PR]

 7年8カ月間にわたって政権を運営し続けた安倍政権とはどのようなものだったのか。そして、日本に残したものとは。内政、外交、それぞれの視点から識者たちが語る。

「未完の最長政権」第4部第3回 中北浩爾・一橋大教授

 なかきた・こうじ 政治学。1968年生まれ。立教大教授などを経て現職。「自民党政治の変容」「自民党―「一強」の実像―」「自公政権とは何か―『連立』にみる強さの正体」など政党に関する著作が多い。

 ――安倍長期政権で自民党に変化はありましたか。

 「2012年の総裁選で、安倍さんは所属する派閥の全面支援を受けずに勝ったため、第2次政権発足直後は派閥の存在感はあまりありませんでした。実際、党役員をみると、幹事長の石破茂氏、政調会長高市早苗氏、総務会長の野田聖子氏の3人が無派閥でした」

 「しかし、次第に安倍さんは自民党を統治するための道具として派閥を使うようになりました。かつての派閥は自民党内でボトムアップの機能を果たす集団でしたが、安倍さんは途中からポストで配慮するなどしてトップダウンの補完機関に変えました。その極めつきが二階俊博氏の幹事長就任でした」

 ――二階氏が幹事長に就任以来、派閥の力が復活したように見えました。

 「その見方は少し違うのはな…

この記事は有料会員記事です。残り2883文字有料会員になると続きをお読みいただけます。