30年超続いた不正の根 三菱電機の「おごった考え」
三菱電機の検査不正問題は、経営トップの杉山武史社長の引責辞任につながった。会社側は製品の安全性は確保されているとするが、調査結果や再発防止策の公表は9月になるという。組織的な不正関与も認めており、信頼回復には時間がかかりそうだ。
「30年以上続いたということは組織的に(不正を)受け継いできたということ。組織的な不正行為だったと認めざるを得ない」
杉山氏は2日の会見で頭を下げた。三菱電機は鉄道用の空調設備で国内シェア6割超とトップを誇る。製造を手がける長崎製作所で検査偽装が続いていた。検査工程を自動化する過程で不正が見つかったという。
会社側は、偽装があったとしても別の試験やシミュレーションなどで安全性は確認したとする。空調設備の製品出荷後の不具合は過去18年で846件報告されていた。改めて調べたところ、検査偽装が原因と思われるものはなかったという。会見では担当役員が「安全であり、品質面も所定の性能を満たしている」と強調した。
一部の検査で架空データを自動で作成する「専用プログラム」を、1990年ごろから使っていたことも正式に認めた。検査したかのようなデータをつくるもので、杉山氏は「日本語で言うと偽装ととらえざるを得ない」と語った。
検査偽装はなぜここまで続い…
- 【視点】
三菱電機の杉山武史社長は記者会見で「自分たちの技術力とか、自分たちの品質に対する考え方を、少し絶対視するおごった考えが根っこにあったのかなと思っている」と言いました。この問題に関する最初の報道へのコメントで推察した通り、やはり根底にあった