私がリンクに描く夢 「浅田真央」にはなれなかったけど

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遠藤啓生
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 浅田真央さんは涙を浮かべていた。

 そして、プロフィギュアスケーターの林渚(はやし・なぎさ)さん(32)ら「浅田真央サンクスツアー」のメンバーに、こう語りかけた。

 「神様が見てくれていたね」

 ツアー最終公演。4月27日の横浜アリーナはカーテンコールに包まれた。その楽屋裏、先ほどまでの演技が映し出されたモニター前で、林さんは泣いた。

 ともに202公演を駆け抜けた。その夜は出演者全員が満点の演技だった。

 「真央ちゃんを最後まで支え切ることができた」。達成感と安堵(あんど)に包まれ、林さんの目からこぼれる涙の粒は自然と大きくなった。

 浅田さんが現役引退後、全国のファンに感謝の気持ちを伝えたいと2018年春から始まった「サンクスツアー」は、約3年かけて国内各地をまわった。林さんが「クラスメート」と表現するほど親密な無良崇人さん、今井遥さんら10人のスケーターたちと織りなす80分のアイスショーだ。

 一時は、新型コロナウイルス感染症の拡大をうけて中止や延期となりながらも、大勢の人たちを魅了してきた。

 林さんは8歳でスケートを始めた。9歳になったとき、コーチと見に行った長野冬季五輪の女子ショートプログラム(SP)で氷上を「妖精のように」華麗に舞う米国のタラ・リンピンスキー選手に目を奪われた。「いつか私も」。その日からスケートへの意識は「習い事の一つ」から「目標」へと変わった。

 浅田さんとの出会いは小学校5年生の時。日本スケート連盟が将来有望な新人を集めて行う合宿の場だった。軽々と3回転ジャンプを決める浅田さんは「異次元の存在」だった。数年前に五輪会場で目に焼き付いた「妖精」と重なった。

 以来、林さんは浅田さんを追…

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