藤井聡太、バケモノが放つ驚愕の妙手たち 息を飲む観客

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村瀬信也村上耕司、佐藤圭司
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将棋の藤井聡太棋聖(18)=王位と合わせ二冠=が初の防衛を決め、史上最年少でのタイトル防衛と九段昇段を果たしました。初防衛を決めた3日の棋聖戦第3局の最終盤で見せた「△7一飛」のような名手や妙手、大逆転を繰り出す藤井将棋の軌跡を振り返ります。(記事は敬称略)

タイトル戦で見せた常識外の「△3一銀」

 「一本もシュート(王手)を打たせない完勝。バケモノ」

 2020年6月28日。棋士の勝又清和は、そうツイートした。藤井聡太の「バケモノ」のような強さを目の当たりにしたからだった。

 三冠の渡辺明に藤井が挑戦した第91期棋聖戦五番勝負の第2局がこの日、東京・将棋会館で行われた。藤井が勝てば開幕2連勝となり、史上最年少での初タイトル獲得に大きく近づく。勝又は「歴史的なタイトル戦を見たい」と思い立ち、現地の検討室に足を運んだ。

 戦型は「矢倉」。先手の渡辺が得意としている形だが、藤井は戦いが始まって早々、自陣の金を攻めに活用する大胆な構想を見せる。互いに後に引けない戦いに突入した。

 その十数手後、さらに驚くべき手を藤井が放つ。△3一銀。常識を覆す絶妙手だった。

藤井聡太の「妙手」をたどって

プロ入り前に師匠を驚かせた手、圧巻だった16手連続の王手、そして歴史に残る7七同飛成…藤井聡太二冠の残した妙手を、関係者の証言を交えて振り返ります。

 勝又は検討室のモニターで、この手が指されるのを見た。日本将棋連盟会長の佐藤康光は「えっ?」と声を上げた。勝又は「全く思い浮かばなかった。ここで受けに回る手は考えない」と振り返る。

 激しい攻め合いの最中に、た…

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