静岡で住宅流される 太平洋側で記録的大雨、被害広がる

【動画】東海・関東の記録的大雨、3日午後2時ごろの静岡・黄瀬川の様子=熊倉隆広撮影
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 停滞する梅雨前線の活動が活発化している影響で2日夜から3日午前にかけて、東海や関東の太平洋側で記録的な大雨となった。神奈川県平塚市では、避難情報のうち最も高い警戒レベル5の「緊急安全確保」が出され、住宅地が冠水した。千葉市内では増水した川に1人が流されたという通報があり警察が捜索している。気象庁は、土砂災害に厳重な警戒を呼びかけている。

 気象庁によると、同日午前9時までの48時間雨量の最大値は静岡県森町で475・0ミリ、富士市で449・5ミリ、浜松市・天竜で363・5ミリと、いずれも観測史上最多を記録。東京都江戸川区神奈川県平塚市をはじめ、静岡県を中心に東京、千葉、神奈川、愛知の5都県計30地点以上で7月としての観測史上最多の48時間雨量を更新した。

 神奈川県平塚市は3日午前7時10分ごろ、市内を流れる金目川が氾濫(はんらん)する恐れがあるとして「緊急安全確保」を発令。その後、金目川を含む6河川も氾濫する恐れがあるとして、川の周辺地域に住む約8万9千世帯、約20万人に対象を広げた。避難所も開設されたが、同市の担当者は「外に出るのが危険な状態で、上階に上がるなど、それぞれの世帯で最も安全に命を守れる手段を選んでほしい」としている。

平塚市の住宅街 車が水につかって動けず

 金目川が流れる平塚市纒(まとい)地区の住宅街は3日朝、広い範囲で冠水し、車が水につかって動けなくなった。住民によると水位は一時、ひざ上の高さに。近くに住む小川弘明さん(75)は「朝7時半ごろ、外に出ると道路に水があふれていた。みるみる水かさが増して驚いた」と話した。

 同県逗子市の横浜横須賀道路の逗子インターチェンジ近くでは3日午前8時ごろ土砂崩れが発生。2車線がふさがれた。県警によると、巻き込まれたとみられる車1台が横転、1人が救出され病院に運ばれたが、会話はできる状態という。

 千葉県内では3日午前9時半時点で、18市町に警戒レベル4にあたる「避難指示」が出ている。県によると午前10時半現在で、九十九里町と成田市で計5棟の床下浸水が確認された。木更津市では市民から道路などの冠水が報告されている。君津市を流れる小糸川の水位観測所では3日午前10時ごろ、氾濫危険水位(4・9メートル)に到達した。市は同日午前10時5分に小糸地区の164世帯に避難指示を出した。

 千葉市中央区栄町を流れる葭川では3日午前0時ごろ、「友人が川に流された」と千葉県警に110番通報があり、県警と消防が捜索中。千葉中央署によると、行方不明になっているのは20代の男性で、会社の同僚と酒を飲んで帰宅中に川に転落したとみられる。現場は繁華街を流れる川で、雨で増水していたという。

 静岡県では、静岡市沼津市など15市町を対象に避難指示が出ている。県内19市町では計187カ所で避難所が開設され、85世帯の計89人が避難した。沼津市を流れる黄瀬川沿いでは橋や付近の住宅に被害が出ている。市や警察によると、黄瀬川大橋の橋脚が、増水で壊れかかり、現在通行止めだという。同市大岡では川沿いの住宅が流されたが、住人は無事という。

 鉄道にも影響が出た。JR東海によると、東海道新幹線は大雨の影響で、上り線の東京―新大阪間、下り線の東京―豊橋間で一時運転を見合わせたが、午前10時45分に運転を再開した。在来線でも午前9時50分現在、東海道線の小田原―熱海間、横須賀線の大船―久里浜間で上下線とも止まっている。私鉄でも小田急線や京急線で運転を見合わせている区間がある。

 気象庁によると、太平洋側に停滞していた前線は4日にかけて日本海まで北上し、前線上に低気圧も発生する見通し。このため前線の活動が活発な状態が続き、日本海側を中心に5日にかけて大雨になるところがあるという。

 4日午前6時までの24時間雨量の予想は多いところで、東海150ミリ、関東甲信120ミリ、近畿と九州北部100ミリ。気象庁はこれまでに雨量が多かった地域を中心に、土砂災害に厳重な警戒を呼びかけている。