中国外相、処理水放出で日本批判 「懸念に耳を傾けよ」

北京=冨名腰隆
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 中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は3日、北京市内で開かれた国際シンポジウムで、東京電力福島第一原発の処理水海洋放出について「世界の海洋生態環境と人々の生命・健康に関わる問題だ。日本政府は国際社会の懸念に耳を傾けよ」と語った。日中関係の悪化を背景に、中国は福島原発の問題で対日批判を強めている。

 清華大学が開いた「世界平和フォーラム」で講演した王氏は、海洋放出は「白日のもとで行われなければならない」としたうえで、「利害関係国や国際機関と合意するまで、無断で放出してはならない。今年は日本が太平洋戦争を起こしてから80年だ。歴史を真剣に反省し、責任ある選択をしてほしい」と歴史問題も持ち出して注文をつけた。

 また、台湾問題北朝鮮の核問題に関して、米国を名指しで批判。「米国など一部の勢力が台湾の独立勢力を後押しするのは誤りで、極めて危険なことだ」「北朝鮮が非核化や情勢の緩和で取った行動を踏まえれば、米国は誠意をもって対応しなければならない」などと指摘した。日米が進めるインド太平洋地域の連携についても「冷戦の復活であり、歴史の後退だ。ごみ山に掃き捨てるべきだ」などと非難した。

 そのうえで、結党100周年を迎えた中国共産党について「覇権を唱えず、拡張しない方針を堅持している」とし、「我々は国の大小や貧富に関係なく平等に対応し、強者が弱者をたたくことに反対していく」と述べた。(北京=冨名腰隆