ナイルの水は譲れない…エチオピアダムに周辺国が猛反発

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ヨハネスブルク=遠藤雄司、カイロ=北川学
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 ナイル川上流にエチオピアが建設中の「グランド・エチオピアン・ルネサンス・ダム」で、今月にも貯水が始まる。下流に位置するエジプトスーダン両国は河川の水量減少などを恐れて強く反発しているが、エチオピアは強行する姿勢を崩さず、関係国の間で緊張が高まりつつある。

 ダム開発が進むのは、ナイル川の上流にあたるエチオピアの青ナイル川。スーダンの首都ハルツームで白ナイル川と合流し、ナイル川としてエジプトを通って地中海へと流れ込む。

 降水量が少ないエジプトは、水資源の95%以上をナイル川に頼る。人口1億人のうち漁業や農業で生計を立てる人は2400万人。南部アスワンでの水量は年間840億トンとされ、エジプト政府は10億トン減れば100万人以上が仕事を失い、年間18億ドル(1998億円)の経済損失を被るとみている。シーシ大統領は3月、「水は一滴たりとも渡さない。取られたら、この地域は想像できないほど不安定になるだろう」とエチオピアを強く牽制(けんせい)した。

 一方、エチオピアのアビー首相は4月、ツイッターで「下流の国に損害を与える意図はない。昨年の大雨はダムの一時貯水を可能にし、ダムがスーダンの深刻な洪水を防いだことに疑いはない」と強調。「次の貯水も大雨が降る7~8月だけだ」と述べ、下流への影響を抑えながらの貯水の実施を改めて宣言した。

「国家主権」を盾に制限拒む

 エチオピアがエジプトやスーダンの反発を押し切ってまでダム開発を推し進めるのはなぜか。

 2011年に建設が始まった…

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