危険運転罪新設きっかけの事故遺族、八街の現場で献花

多田晃子、伊藤繭莉
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 千葉県八街(やちまた)市で飲酒運転のトラックが小学生の列に突っ込み、児童5人が死傷した事故の現場で3日、かつて飲酒運転のトラックによる事故で2人の子を失った夫妻が花を手向けた。夫妻は「絶対防げたはずの事故だ」と語った。

 事故現場を訪れたのは、東京都世田谷区東名高速道路で1999年、飲酒運転の大型トラックが乗用車に追突した事故で、長女奏子(かなこ)ちゃん(当時3)と次女周子(ちかこ)ちゃん(同1)を失った井上保孝さん(71)と郁美さん(52)。夫妻は事故後、他の遺族とともに悪質運転の厳罰化を求めて奔走し、その活動が2001年の危険運転致死傷罪創設につながった。

 今回の事故では、現行犯逮捕された梅沢洋容疑者(60)の呼気から基準値を上回るアルコールが検出され、県警は自動車運転死傷処罰法の危険運転致死傷容疑で送検している。

 夫妻はこの日、事故に遭った児童が当日も通った通学路をたどった。現場に献花して手を合わせた後、郁美さんは「『ルールを守れない大人たちがいて本当にごめんね』と伝えました」と話し、「飲酒運転を止められなかった周りの責任も重い」とも語った。

 郁美さんはSNSを通じて「(飲酒運転など職業運転手による悪質な運転で起きる事故の防止には)雇用者の責任を追及したほうが効果的」などと発信している。保孝さんは「二度と飲酒運転で亡くなる人が出ないように訴えてきたが、力及ばずというか無力感がある」と声を絞り出した。郁美さんは「こういう事故が起こるたびに、まだまだやらなければいけないことがあると思い知らされる」と話した。(多田晃子、伊藤繭莉)