日本の対中懸念に「強い共感」 外相、バルト3国を歴訪

佐藤達弥
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 茂木敏充外相は3日、エストニアラトビアリトアニアのバルト3国への訪問を終え、オンライン形式で記者会見した。中国の海洋進出や香港、新疆ウイグル自治区の人権問題について、3カ国から「日本の懸念に強い共感が示された」と述べ、台頭する中国をめぐる認識を共有できたと強調した。

 茂木氏は先月末にイタリアで出席した主要20カ国・地域(G20)外相会合などに続き、バルト3国を訪問。各国の外相らと会談した。

 日本外務省によると、3カ国の外相らは、航行の自由や法の支配といった価値観を重視する日本の外交方針「自由で開かれたインド太平洋」への支持や協力を表明。中国の海警部隊に武器使用を認める海警法や、東シナ海南シナ海への進出、香港、新疆ウイグル自治区をめぐる人権状況についても、日本側との間で深刻な懸念を共有したという。

 茂木氏は会見で、「日本と中国、バルト3国とロシアの位置関係や地政学的環境は極めて類似している」と指摘。権威主義体制といわれる二つの大国と向き合う状況が似ているため、中国の海洋進出や人権状況は「バルト3国にとっても他人ごとではない」とした。

 バルト3国も加盟する欧州連合(EU)は4月に「インド太平洋戦略」を発表し、9月にも具体案をまとめる予定だ。日本は中国への懸念を反映させるため、EU加盟国への働きかけを強めてきた。4~5月には茂木外相がポーランドやスロベニアなどを訪問し、中・東欧6カ国の外相と協議している。(佐藤達弥)