土石流で2人死亡、10人救助 「被害増える恐れ」

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 活発な梅雨前線の影響で、2日夜から3日朝にかけて東海や関東の太平洋側では記録的な大雨となり、土砂崩れや河川の氾濫(はんらん)が相次いだ。静岡県熱海市の伊豆山(いずさん)地区では3日午前に土石流が発生。市は同日夜、女性2人の死亡を確認したと発表した。また、土砂が流れ込んだ家屋などから10人を救助したという。

 静岡県によると、伊豆山地区を流れる2級河川の逢初(あいぞめ)川では、3日午前10時半過ぎから断続的に土石流が起きた。付近は斜面に民家が立ち並ぶ住宅街で、3日夕に記者会見した熱海市の斉藤栄市長は「100~300世帯が被害に遭ったとみられる」とし、「20人程度が安否が確認できないという状況。どなたがどこにいるか分からない」と述べた。人的被害はさらに増える恐れがあるとしている。

 市によると、伊豆山地区では中学校などに約260人が避難した。3日夜には男女4人を救助し、別の場所でも生存を確認していた6人を救助した。

 現場一帯は土砂災害警戒区域に指定されていた。当時、市が発表していた避難情報は警戒レベル3の「高齢者等避難」で、最初の土石流発生後の午前11時5分にレベル5の「緊急安全確保」に引き上げた。

 気象庁によると、熱海市網代(あじろ)では3日午後7時20分までの72時間で409・5ミリの雨を観測。36年前に記録した7月の72時間雨量の最多を更新した。このほか、3日夜までに観測した72時間雨量の最大値は静岡県富士市や森町で500ミリを超えるなど、静岡を中心に4都県の計10地点で観測史上最多を更新した。東海と関東で、7月の最多を更新する72時間雨量となった地点が40以上にのぼった。

 一方、神奈川県では住宅1棟が全壊し崖崩れが61件発生、千葉県でも浸水被害が相次いだ。総務省消防庁によると、緊急安全確保は3日午後6時半時点で熱海市の3万6千人に、レベル4の「避難指示」は静岡や千葉など4県23市町の61万5千人に出されている。

 静岡県は、避難所や仮設住宅の供与が受けられる災害救助法を熱海市に適用することを決定。防衛省は知事からの災害派遣要請に基づき、陸上自衛隊を熱海市に派遣した。政府は3日夕、首相官邸で大雨に関する関係閣僚会議を開いて対応を協議。菅義偉首相は被害状況の把握に全力を挙げるよう指示し、「機動的かつ万全の対応を進めるとともに、避難所等に対する支援を迅速に行っていただきたい」と語った。