神奈川でも大きな被害 崖崩れや冠水、相次ぐ避難指示

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 神奈川県内は3日朝にかけて、平塚市箱根町など県西部を中心に記録的大雨に見舞われた。建物被害や崖崩れが相次ぎ、逗子市では土砂崩れに巻き込まれたとみられる男性1人が病院に運ばれた。各自治体が被害の把握に努めており、規模はさらに膨らむ可能性がある。

 県の3日午後6時時点のまとめでは、小田原市で斜面の崩落によって住宅1棟が全壊し、秦野市と葉山、中井町で計5棟が一部破損した。崖崩れは、中井町で15件、南足柄市で13件など12市町で計52件、床上浸水伊勢原、平塚、湯河原の3市町で計7棟確認されているという。

 大雨による避難指示は3日午前1時25分ごろから、横浜市の栄区、西区など13区や平塚市などに相次いで出された。

 平塚市は同日午前7時10分ごろ、金目川が氾濫(はんらん)する恐れがあるとして「緊急安全確保」を発令した。避難所は16カ所に開設。午前9時ごろには約140人が身を寄せた。

 市によると、市内を流れる金目川の水が一時堤防を越え、周囲に流れ出た。冠水した地区の道路では複数の貨物車や乗用車が立ち往生し、運転手らが知人らの力を借りて動かしていた。

 冠水した道沿いに住む小川弘明さん(75)によると、同日午前7時ごろは冠水していなかったが、30分ほどして外を見ると冠水していた。「みるみる水かさが増した。驚いた」。車が通るたびに家や庭に水が押し寄せ、一時はひざの高さまで来たという。市が、浸水による市内の被害を集計している。

 交通網にも被害が出た。逗子市の横浜横須賀道路の逗子インターチェンジ近くでは、3日午前8時ごろに土砂崩れが発生。2車線がふさがれた。県警によると、巻き込まれたとみられる車1台が横転し、1人が病院に運ばれた。命に別条はないという。

 箱根町では、大雨に伴う交通規制で、国道1号の同町塔ノ沢以西や国道138号が通行止めになった。箱根登山鉄道は、箱根湯本―強羅間で始発から午後にかけて運休した。バスも国道1号から国道138号方面が運休になった。

 JR東海道線は小田原―熱海間を終日運休し、8万9千人に影響が出た。4日も始発から昼ごろまで運転を見合わせる。京急線も、一部区間の上下線の運転を3日夕方まで見合わせた。小田急線は同日午前6時ごろから午後1時まで302本の運行を見合わせ、8万人に影響が出た。

 土砂災害発生の危険度が高まっている地域は、県の土砂災害情報ポータル(https://dosyasaigai.pref.kanagawa.jp/website/kanagawa/gis/index.html別ウインドウで開きます)や、気象庁「大雨警報(土砂災害)の危険度分布」(https://www.jma.go.jp/bosai/risk/別ウインドウで開きます)で確認できる。

5か所の24時間降水量、7月の観測史上最大に

 横浜地方気象台によると、2日夜から3日午前にかけての大雨で、神奈川県内の観測地点11カ所のうち5カ所で、24時間の降水量が7月の観測史上最大を記録した。5カ所は、箱根町543ミリ、海老名市231・5ミリ、平塚市224ミリ、横浜市中区200ミリ、藤沢市189ミリ。また、1時間あたりの雨量では、3日朝、海老名市で51ミリ、横浜市中区で35ミリの激しい雨が降った。気象台は4日も雨が降りやすい状況が続くとして、河川の増水や氾濫(はんらん)への警戒を呼びかけている。

 県などは3日午前1時以降、複数回にわたり横浜市小田原市など複数自治体の携帯電話の利用者に対して、土砂災害警戒情報のプッシュ型配信(受信者側が要求しなくても配信される仕組み)を実施した。