秋は記録員→春は中軸→夏は6番で満塁HR 努力実った

仲川明里
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(3日、高校野球愛知大会 愛産大工14-3安城南)

 一回、1点を先制し、なお1死満塁のチャンス。愛産大工の6番浅井千翔(ちしょう)選手(3年)は「甘い球が来たら打つ」と打席に向かった。

 初球、甘く入った低めの直球を振り抜くと、打球は左中間スタンドへ。公式戦自身初アーチは、試合の流れを引き寄せる満塁本塁打となった。ベンチで仲間に迎えられ、笑顔を見せた。

 昨夏の独自大会で決勝に進んだ愛産大工だが、自身はベンチ入りできずスタンドで仲間を応援することしかできなかった。「大舞台で活躍する仲間がすごくかっこよかったし、何よりうらやましかった」

 新チーム発足後の昨秋の県大会は、記録員を務めるなど裏方に徹した。今春の県大会地区予選からスタメンで中軸を任されるようになったが、そこでも不振に苦しみ、思うような結果は出なかった。

 「飛距離に自信があった。当たれば大丈夫と自分の打撃にあぐらをかいていた。ここで本気で見直さないとずっとだめなままだと思った」

 仲間や監督に見てもらい、左脇が開いてしまう打撃フォームを修正。がむしゃらに振るのではなく球をたたくように打つことを意識した結果、ミート力が向上したという。

 この日は四回に右前安打を放ち、3打数2安打4打点の活躍。チームも一回に打者一巡の猛攻で一挙6点を先制し、五回コールド勝ちと好発進した。

 今枝基浩監督は「(浅井選手は)実力があるのに出し切れていなかった。これまでの努力があの本塁打に出たと思う。誰よりも早くグラウンドに来て練習し、下級生がやる雑用も率先してやっていた」と話す。

 浅井選手は「自分たちの目標はどこのチームよりも長い夏にすること。去年は(自分が)立つことのできなかった決勝の舞台で活躍したい」と力を込めた。(仲川明里)