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「ロボットのように」 ミャンマー元兵士が語る国軍内部

有料会員記事ミャンマーはいま

バンコク=福山亜希
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 ミャンマーで国軍がクーデターを起こしてから、5カ月が過ぎた。現地の人権団体によるとこの間、国軍の弾圧で犠牲になった市民は890人に上る。兵士らはなぜ、自国民に暴力を振るうのか。国軍に反旗を翻した元陸軍大尉が、通信アプリなどを通じた取材に応じ、国軍での偏った教育や組織の体質の問題点を語った。

 首都ネピドーで任務に就いていたニートゥータ氏は3月4日、自身のSNSで、職務を放棄して国軍に抗議する「不服従運動」に参加すると宣言した。2月1日のクーデターから、1カ月余りの葛藤を経ての決断だった。

 多くの兵士は上層部の命令に従い、抗議デモをする市民らに発砲を続けた。背景には、アウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)の支持者と国軍との長年の対立があると、ニートゥータ氏は言う。

 「長い間、互いに傷つけあってきた。特に、NLDの支持者に敵対心を抱く兵士は多い。NLD支持者もまた、兵士全体を犯罪者のように見ている」

 国軍内部の教育の問題も挙げた。1988年の民主化デモの際に、暴徒化した市民が店に火をつけたり、兵士を襲ったりする映像を、繰り返し兵士は見せられる。その結果、デモをする市民を敵とみなし、「国のためなら、法律を破って(対処して)も許されるとさえ信じるようになっている」という。

 また、任務に追われる兵士は疲弊して強いストレスを抱えており、「デモ現場で市民から敵とみなされれば、感情を抑えるのが難しくなる」と指摘する。

 一方で、残虐行為を働く兵士は一部に過ぎないとも訴える。「命令に完全に自信を持って従っている兵士はほとんどいない。NLDの支持者だけでなく、多くの市民にデモや不服従運動が広がったことに、兵士らは困惑してもいる」

 ミンアウンフライン最高司令官については「非常に利己的だ」と切り捨てた。国軍指導者らは個人の利益しか考えておらず、「国軍の威厳は最悪の状態に落ち込んだ」と嘆いた。

 トゥンミャッアウン氏も3月…

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