アユ釣りが11年ぶり解禁、避難指示地域の川で初 福島

長屋護
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 東京電力福島第一原発の事故の影響で、禁漁が続いていた福島県楢葉町の木戸川でのアユ釣りが4日、11年ぶりに解禁された。原発事故で避難指示が出た地域の川でアユ釣りが解禁されたのは初めて。風物詩の復活に喜びの声が上がった。

 楢葉町は2015年に避難指示が解除され、地元の木戸川漁協は主力のサケ漁を再開。アユ釣り再開に向け、13年から放射性セシウムの検査に本格的に取り組んでいた。

 漁協によると、18年以降は500グラムあたり20ベクレルから検出限界値未満で推移。1キロ換算で国の食品の基準の100ベクレルを下回っていた。

 昨年5月下旬にはアユ釣り再開を視野に稚魚約2万1千匹を放流。解禁に向けた最終検査となる県の6月下旬の検査でもセシウムは「検出せず」だった。

 禁漁中は青森や秋田で釣りをしていたという地元の古市正博さん(73)は「風物詩が戻り、うれしい。木戸川の水がきれいなので、アユは食べるとおいしい」と話していた。約2時間で8匹釣った地元の男性(73)は「釣りは11年ぶり。木戸川のアユ釣りを待っていた」と笑顔をみせた。

 木戸川漁協によると、この日は茨城や栃木など県外を含め200人に近い釣り客が来た。組合長の松本秀夫さん(73)は「感無量の思いだ。イワナやヤマメはまだ解禁できないが、復興に向けた大きな一歩だと思う」と語った。(長屋護)