「いろんな思い」胸にしまい 進退かける白鵬、白星発進

鈴木健輔
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 大相撲名古屋場所は4日に初日を迎え、進退をかけて出場した横綱白鵬が白星で滑り出した。

 ひざを手術した右足を軸に投げを打った白鵬。真っ赤な顔で歯を食いしばり、拳を握った右手を軽く振った。土俵人生をかける場所の初日で白星。「ただいまって感じですかね」と、表情は明るかった。

 3月の春場所を途中で休場し、手術を経た今場所の前、白鵬は報道陣に稽古を公開しなかった。どんな状態なのか。「今の力」が注目されていた。

 「経験とうまさでちょっと上回った感じ」と横綱が振り返った新小結明生戦。自分十分の形と逆の左四つになると、がっぷりに組んだ姿勢から寄れず、逆に後退する場面があった。

 伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は「反対の四つでも勝てると思ったのかもしれないけど、前に出られなかったんじゃないかな」。八角理事長(元横綱北勝海)は「いつもと重さが違う」と話し、以前の白鵬と比べて相撲の軽さが気になった様子だった。

 場所前の白鵬をみていた師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)が、こんな風に言っていた。「いつもと違ってニコニコしていた。以前みたいな緊張感というよりも、ほぐれていた」

 実績と経験が生む余裕なのか、仕上がりに自信があったのか。それとは違う感情なのか。初日の取組後、今場所にかける思いを聞かれた白鵬は、ふっと笑った。「いろんな思いがあるし、しゃべったら、今日(中に)終わりませんから」

 問われるのは結果。周囲だけでなく、自分自身を納得させる結果だ。(鈴木健輔)