やまゆり園の新園舎が開所 「やっと帰って来られる」

土屋香乃子
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 2016年に入居者19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負った障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の建て替え工事が終わり、新園舎の開所式が4日行われた。障害者の地域移行を進める国の方針に従い、神奈川県は施設を小規模化し、利用者を県内に分散。新園舎の入所定員は以前の4割ほどになった。

 事件後、県は施設の大部分の建て替えを決定。二つの居住棟が新築されたほか体育館やプールなどが改修された。開所式には利用者や地域住民ら44人が出席。利用者の家族会の大月和真会長は取材に「やっと帰って来られると実感している。19の御霊(みたま)が空から見守ってくれているから、それを励みに一生懸命楽しい生活ができれば」と述べた。

 入所定員は整備前の160人から66人となった。11人の居室のほか共用のダイニングや浴室、トイレなどを備えた「ユニット」が六つある。以前は2人部屋もあったが、プライバシーを考慮し全て個室になった。園を出た後の生活をイメージできるよう浴室やトイレを備えた居室も用意した。

事件当時の利用者44人が入居へ

 事件は16年7月26日に発生。当時、157人の利用者がおり、17年4月に多くが横浜市港南区の芹が谷地区にある仮園舎に移った。16年9月には県が同じ場所に大規模施設を再建する方針を示したが、「施設から地域へ」の障害者福祉の方針に逆行するとの批判が有識者らから噴出。これを受け17年10月、県は施設を小規模化し、利用者を新園舎と、芹が谷地区に新たに建設する園舎に分散する構想を公表した。

 永井清光園長(51)は「利用者に寄り添いながら地域移行を進め、新しいやまゆり園を作っていきたい」と話した。仮園舎から入所する予定の栢沼(かやぬま)高之さん(55)は「またみんなと、ここで頑張っていきたい」と話した。

 県によると、新園舎の入居は8月1日からで、事件当時、園にいた利用者のうち、44人が暮らす。12月には芹が谷地区にも新たな園舎が完成し、利用者57人が入居する予定という。(土屋香乃子)