刺し身が引き締まる、土佐の青いユズ 暑い夏に清涼感

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冨田悦央
【動画】四国うまいもん 高知の青ユズ=冨田悦央撮影
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 めっぽう暑くて湿気が多い高知の夏を乗り切るには、しっかり食べることが大事だったのだろう。

 土佐の夏の味覚に欠かせない、鮮烈な香りと酸味が食欲をそそる深い緑色の青ユズ。「ユズの青玉」ともいい、二つに切って刺し身に果汁を搾りかければ、鮮魚の身はいっそう引き締まる。そうめんの薬味として果皮をおろし金ですれば、家庭料理が清涼感あふれる一品に変わる。

 「皮結び」と呼ばれる飾り切りを施した青ユズを土佐の名物カツオのたたきに、どんと添える。

 「青ユズが、うちのメイン」と話すのは、高知県香南市和食処「桑の木」の大西健一さん(62)。カツオのたたきを巻きずしにした「土佐巻き」を付け台に並べ、最後に薄く切った青ユズを盛り付け香りを立てる。濃い緑の皮は、切って吸い物の吸い口に、冷ややっこにはおろしてふりかける。

 秋から冬にかけて出回る黄玉を含め、高知県のユズの出荷量は年間1万トン余りで全国一。ハウス育ちの青ユズは4月ごろから真夏にかけて収穫される。地元はもとより、東京や京都の料亭などが買い求め、創作料理を出すレストランに届けられる高級食材でもある。

全国区になった「高知のユズ」

 ユズの温室栽培をする農家1…

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