スエズ事故船、3カ月ぶり解放へ 賠償契約が正式合意

森田岳穂
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 エジプト東部のスエズ運河で大型コンテナ船が座礁した事故で、船を所有する正栄汽船(愛媛県)側とスエズ運河庁側との賠償金をめぐる訴訟が正式に和解した。船に保険を提供していた英保険事業者「UKクラブ」が4日に発表した。賠償額など和解の内容は非公表。現地で3カ月以上拘束されていた船は解放される。

 運河庁側は、離礁にかかった費用や事故による運河の閉鎖に伴う損失について、当初9億1600万ドル(約1千億円)の賠償を請求。UKクラブなど正栄汽船側が異議を唱えたため提訴し、請求額は5億5千万ドル(約600億円)まで減らした。

 一方、同社側は1億5千万ドル(約160億円)が妥当と主張。事故時に船に乗っていた運河庁側の水先案内人の責任をどこまで認めるかなどをめぐり、対立していたようだ。

 その後和解協議に入り、UKクラブが6月23日に基本合意に達したと発表。さらに詳細な条件などを詰めていたとみられる。賠償金の大部分は正栄汽船などが加入する保険でカバーされるもようだ。近くエジプトで調印式が開かれる。

 事故は3月23日に発生した。長さ約400メートル、幅約59メートルのコンテナ船が運河を北上中に荒天に遭い、船首部分が運河のへりに衝突。幅約300メートルの水路を塞いだ。船の周りの土砂を取り除いたり、大型タグボートで押したりする作業を繰り返し、同29日に離礁した。(森田岳穂)