中国配車アプリが「違法に個人情報」 ダウンロード停止

北京=西山明宏
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 中国政府の国家インターネット情報弁公室は4日、配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディチューシン)について、個人情報の収集や使用で重大な違法行為を認定したと発表した。スマートフォンのアプリストアから滴滴のアプリを新規にダウンロードできなくするよう命じた。巨大ITへの締め付けだけでなく、米国側へのデータ流出に警戒を強めている可能性がある。

 同弁公室は2日、ネット空間の規制を強める「サイバーセキュリティー法」などに基づき、国家安全上の問題があるとして滴滴の審査を始めたと明らかにしていた。滴滴は4日、「当局の指導に誠に感謝している。真剣に改革し、利用者の個人情報とデータを守り続ける」との声明を発表した。すでにアプリをダウンロードしている利用者は通常通り使えるという。滴滴はソフトバンクグループ傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が筆頭株主だ。

 滴滴の違法行為の詳細は明らかになっていないが、米国とのつながりを警戒したとの見方が浮上している。6月30日に米ニューヨーク証券取引所に上場した滴滴が、アプリを通じて得たデータを米国側に提供したのではないかとの指摘がネット上であがった。これに対し、同社幹部が3日、「データはすべて中国国内のサーバーに保存されている」と否定した。

 さらに中国の規制当局は5日、求人アプリ「BOSS直聘」や、トラック配車アプリ「貨車幇」などを展開する計2社についても、国家安全上の理由で審査を始めたと発表。両社とも6月に米国で上場したばかりだった。(北京=西山明宏)