「ウイルスからの独立宣言、近い」 バイデン氏が演説

ワシントン=青山直篤、合田禄
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 バイデン米大統領は独立記念日の4日、ホワイトハウスで演説し、「米国は記録的な雇用回復と経済成長を遂げている。世界最高といっていい結果だ」と述べ、経済復興が急速に進んでいることを強調した。ワクチンも広く普及し、米国内の状況がパンデミック(世界的大流行)から平常に戻りつつあるとした。

 バイデン氏は4日夜、約1千人をホワイトハウスに招いて大規模なパーティーを開催。「致命的なウイルスからの独立を宣言するのにこれまで以上に近い状態にいる」と指摘した。その後に打ち上げられた花火を見るため、ワシントン中心部には大勢の人たちが集まり、ほとんどの人がマスクを着けずに観賞した。

 米経済は世界大恐慌以来の経済・雇用危機を経験した2020年から一転し、ワクチンの普及や、大規模な経済対策によって力強い回復を見せている。

 米議会予算局は1日、2021年の米実質国内総生産(GDP)の成長率が、第4四半期(10~12月)の前年比で7・4%に達すると予測。1980年代前半以来の高い伸びで、米連邦準備制度理事会(FRB)も同7・0%の回復を見込む。FRBが約1年前の時点では、21年第4四半期の成長率は前年比5・0%にとどまると見込んでいたことを踏まえれば、専門家の予想を裏切る急激な回復局面に入っているといえる。

 また、20年4月には戦後最悪の14・8%を記録した失業率も21年6月には5・9%まで改善している。

 コロナ禍は、もともと低賃金で雇用も不安定な娯楽・飲食産業に大打撃を与えたが、この業種でも経済活動の急速な再開に伴い、6月は平均時給が16・21ドル(約1800円)と、前月比2・3%増という「平時」では考えられないような伸びを示している。株式市場も好感し、主要企業でつくるダウ工業株平均は2日、史上最高値を約2カ月ぶりに更新した。

 しかし、今後の経済復興の過程は「パンデミック初期の経済活動の閉鎖と同様に前例のない経験」(FRBのパウエル議長)となる。予想を超えた物価上昇の加速などのリスクも意識されており、バイデン政権の経済政策も正念場を迎えている。

 一方、バイデン政権が7月4日までに成人の7割が少なくとも1回ワクチン接種するという目標は、同日朝までに約67%で、わずかに届かなかった。バイデン氏は平常化に触れた演説で、「新型コロナとの闘いが終わったと言っているのでない」とも語り、未接種の人たちにワクチン接種を呼びかけた。(ワシントン=青山直篤、合田禄)