松本元死刑囚の遺骨、次女が受け取り先 最高裁で確定

阿部峻介、鶴信吾
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 オウム真理教元代表・松本智津夫麻原彰晃)元死刑囚の遺骨と遺髪について、遺族間で対立していた所有権が次女にあるとする司法判断が確定した。引き取り人を決めるよう審判を申し立てていた四女側の訴えを、最高裁第三小法廷(戸倉三郎裁判長)が2日付の決定で退けた。詳しい判断理由は示していない。

 松本元死刑囚は2018年7月に死刑が執行され、遺骨と遺髪は東京拘置所に保管されている。四女側は死刑執行直前に松本元死刑囚から引き取り先に指定されたと主張したが、東京家裁は昨年、意思疎通の難しかった松本元死刑囚の状態からすれば「確定的な意思表示だったとみるのは困難」と指摘。面会を繰り返した次女側との関係が「最も親和的」と判断し、東京高裁も支持したため四女側が特別抗告していた。

遺骨が「聖地」に?公安当局は警戒

 次女側が引き取ることになった松本元死刑囚の遺骨と遺髪は、公安当局が行方を注視している。

 公安関係者によると、オウム真理教は仏教の要素が含まれているため、「開祖である松本元死刑囚の遺骨が、仏教の仏舎利(仏陀(ぶっだ)の遺骨)のように扱われるかもしれない」と指摘。後継団体の信者らの信仰対象となる可能性があるとみている。

 教団と距離を置いているとされる四女側はこれまで、「遺骨を粉にして海に散骨する」という意向を示してきた。別の公安関係者は「四女ではなく次女が受け取ることで行方の不透明さが増す」とみる。

 四女の代理人の滝本太郎弁護士は今回の決定について、「(松本元死刑囚の)重要な自己決定権の行使を尊重していない。極めて遺憾だ」とコメント。次女の代理人の安西敦弁護士は「父を家族として静かに悼みたいということに尽きる」とした上で「次女はオウム真理教や後継団体とは一切関係がなく、父の遺骨が宗教的、政治的に利用されることを決して望んでいません。この審判でも主張してきました」とした。

 公安調査庁によると、オウム真理教の後継・派生団体は「Aleph(アレフ)」(埼玉県越谷市)▽「ひかりの輪」(東京都世田谷区)▽「山田らの集団」(金沢市)の三つで、15都道府県に計31施設がある。個人的に松本元死刑囚を信仰する人もおり、信徒は計約1650人に上るとみられる。(阿部峻介、鶴信吾)