ボクサー矢吹が世界初挑戦へ 最強王者を「KOできる」

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伊藤雅哉
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 ボクシングの「矢吹」が世界初挑戦する。

 5日、大阪市内でプロボクシングの世界戦の発表会見があった。9月10日、京都市体育館で世界ボクシング評議会(WBC)ライトフライ級王者の寺地拳四朗(29)=BMB=と同級1位で日本王者でもある矢吹正道(28)=緑=が対戦する。

 矢吹の本名は佐藤正道。リングネームは漫画「あしたのジョー」の主人公にちなんだが、実際にドラマのような人生を送ってきた男だ。

 記者会見から火花が散った。現役最長の8連続防衛中、地元の京都で9度目の防衛戦を迎える「最強王者」の寺地は「余裕で勝つ。試合中盤でKOします」。

 名古屋から会見に駆けつけた矢吹は、4月の寺地の試合を視察したと言い、「テレビで見るより大した選手じゃないと思った」とさらりと言った。「この前の出来なら自分がKOできる」とも。もう戦いは始まっていた。

 矢吹は22歳でプロボクサーになるにあたり、「佐藤って普通なんで。認知されたほうが得だから」と自らリングネームを決めた。

 同門の弟は力石政法(まさのり)(27)。こちらのリングネームはもちろん、「あしたのジョー」の矢吹丈の宿敵から取った。

 三重県鈴鹿市出身。中学時代に「ボクシングしとるって言ったら女にモテる」とジム通いを始めたが、その後は荒れた時期もあったという。

 17歳で長女が誕生した。若くして家族を持ち、ボクシングをするために上京したこともあったが頓挫。公園で練習をしていた時期もある。ボクシングエリートの経歴ではない。

 昨年、日本王者になってからも建築業の一人親方として仕事を続けてきた。妻・恭子さん(27)と長女の夢月(ゆづき)さん(11)、長男の克羽(かつば)君(7)との4人家族。名古屋市北区の自宅から緑区のジムへはバスを乗り継いで約2時間かかる。転居しないのは「子供が転校しないといけなくなるから。自分がいっぱい転校したんで」。週に2日は子供を連れてジムに来る。

 「試合があれば金が入る。世界王者になれば家族も楽になる」。そんなハングリーさを持っている。

 2019年5月の試合では…

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