文化芸術担い手に職域接種 「活動に集中を」文化庁長官

神宮桃子
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 俳優や舞台スタッフ、音楽家らを対象にした新型コロナウイルスワクチンの職域接種が5日、東京都千代田区の国立劇場で始まった。小規模団体やフリーランスの多い文化芸術の担い手に接種の機会を提供しようと、文化庁と日本芸術文化振興会などが計画した。

 156団体4220人から応募があり、抽選で78団体2060人が選ばれた。この日訪れた人たちはホールの客席で自分の順番を待ち、舞台上に設けられたスペースで次々に接種を受けた。国立劇場や新国立劇場の職員らを含め、計3200人が9日までに1回目の接種をする。

 殺陣や日本舞踊、ロックなどを採り入れたパフォーマンス集団「破天航路」は、8月にルーマニアで開かれる国際演劇祭に出演するため、メンバーらが接種した。コロナ禍でほとんどの活動ができなくなったといい、特に昨年はオンラインライブが数回、有観客のライブが1回あった限り。今回の渡航が今年初めての公演という。代表のSADAさんは「ほぼ海外渡航は難しいと思っていた矢先に、今回の接種を知り、受けさせてもらった。エンターテインメントの力を信じ、人と人、日本と世界をつなげていく橋渡しができればと思う」。メンバーの伊原夏菜さんは「ワクチンを打てたことで、お客様に生のパフォーマンスを間近で見てもらえる、と希望を胸に、頑張っていきたい」と話した。

 接種を視察した文化庁の都倉俊一長官は「一日も早くアーティストの皆さんに接種してもらい、安心して芸術活動に集中していただきたい」と語った。

 文化庁などは、今回接種できなかった団体や個人1万5千人を対象に、8月中旬以降、国立新美術館(港区)で合同接種を受けられるようにする予定だ。(神宮桃子)