映画「宮本から君へ」助成金訴訟 敗訴の芸文振が控訴

神宮桃子、編集委員・石飛徳樹
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 映画「宮本から君へ」への助成金を日本芸術文化振興会(芸文振)が交付しなかったのは違法だとして、東京地裁が不交付決定を取り消した判決について、芸文振は5日までに、判決を不服として控訴した。

 芸文振は文化庁所管の独立行政法人。「宮本から君へ」は2019年、1千万円の助成内定を得たが、出演者が麻薬取締法違反で有罪判決を受けた後、「公益性の観点」から不交付を通知され、製作会社スターサンズが提訴した。6月21日の東京地裁判決(清水知恵子裁判長)は、芸文振の助成は「芸術団体の自主性に配慮し、専門家の評価は尊重することが求められる」と指摘し、不交付決定を「裁量権を逸脱または乱用した処分だ」として取り消した。

 芸文振の控訴を受け、スターサンズは「控訴審が開かれることによって、『公益とは何か』『行政裁量はどこまで許容されるのか』といった極めて重要な論点について文化芸術を担う人だけではなく、多くの人々の間で更に議論が深まるものと認識しております」とのコメントを出した。(神宮桃子、編集委員・石飛徳樹)