車にもメイド・イン・チャイナの波 下町走る「紅旗」

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福田直之
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 過去30年かけ、家電や日用品など身の回りに広がった「メイド・イン・チャイナ」の製品。いま、製造業の「王様」といわれる自動車でも日本進出の兆しが見えてきた。国産車が約9割を占める国内市場に、将来どれだけ食い込むのだろうか。

 ビルの間から通天閣が見える大阪の下町。コインパーキングに日本では見慣れないデザインの黒塗りの車が2台、並んでいた。中国国有自動車大手、第一汽車集団のセダン「紅旗(ホンチー)H9」だ。紅旗は元々は中国の国家指導者が乗る車で、現地では単なる高級車を超えたブランドを持つ。

 ガソリン車とハイブリッド車の2種類でグレードごとに価格は異なり、税別の車体価格は580万~980万円。輸入業者によると、紅旗シリーズは6月末までに日本に10台輸入された。9月にも電気自動車(EV)のSUV「E―HS9」(税別車体価格1050万円~)が上陸する予定。顧客は今のところ在日中国人や日本国籍を持つ華僑がほとんどだ。

 後部座席に乗せてもらい、走行を体験したところ、安全機能に力を入れている印象を受けた。沿道の制限速度標識を自動で読み取り、計器パネルのディスプレーに表示。制限速度を超えると警告が出る。前方の衝突だけでなく、後ろからの追突も予知して警告音が鳴る。車線変更しようとハンドルを少し右に切ってもまた警告だ。ウィンカーを出し忘れていたからだ。

 H9を購入した中国遼寧省出身の大阪の実業家、何英樹(かつひでき)さん(39)は「豪華なデザインが気に入った。輸入できると聞いて30秒で購入を決断した」という。「中国の自動車製造技術は遅れていたが、自動車大国・日本で運転できる日が来たのはうれしい」

 中国は車両や部品に関する安全・環境基準を相互承認する「58年協定」に加入していない。中国ブランドの中国製造の車を輸入するのは、日本の基準に適合していることを証明する作業が必要で難易度が非常に高いとされてきた。

 今回は輸入業者の作業を第一…

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