瀬戸内海に「氷河期の生き残り」 新属新種の海藻を発見

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杉浦奈実
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 瀬戸内海西部に浮かぶ周防大島山口県)で、神戸大学の川井浩史特命教授(藻類学)の研究チームが新種の海藻を発見し、「セトウチカヤモ」と名付けた。この海藻は、比較的低い水温の海域に生息しており、「氷河期の生き残り」とみられるという。

 論文が英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。(https://www.doi.org/10.1038/s41598-021-93320-7別ウインドウで開きます

 研究チームは2017年、周防大島の水深2~5メートルの海底で、高さ15センチ、直径2ミリほどの円柱状の海藻を見つけた。褐藻と呼ばれる海藻の仲間だ。「ニセカヤモ」という別の褐藻と見た目は似ているが、ニセカヤモには見られない枝分かれがある。

 セトウチカヤモは今のところ、瀬戸内海の西部でしか見つかっていない。この海域は、つながっている太平洋に比べて水温が低いのが特徴だ。他にも、この海域だけで見られる海藻や、水温の低い東北地方と共通してみられる海藻がいくつもあるという。

 瀬戸内海は氷河期に陸地で、今の海岸線になったのは数千~1万年前だ。それ以前は南方に分布していた海藻が、水温の上昇とともに北上した際に瀬戸内海に入り込み、この海域で生き延びたとみられる。

 こうした種は、気候変動温暖化)によって水温が上がると逃げ場がなく、影響を受けやすい。川井さんは「セトウチカヤモは他の場所にもあるかもしれないが、ここにしかないとなれば心配だ」と話す。

 遺伝的な解析では、ニセカヤ…

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