河川改修だけでは防ぎきれない 住民巻き込む治水対策

有料会員記事

伊東邦昭
[PR]

 3年前の西日本豪雨浸水被害が出た愛媛県宇和島市吉田町の立間川水系で、河川改修工事などのハード面の事業と、住民への防災啓発といったソフト面の対策を組み合わせた「流域治水プロジェクト」が3月に策定された。県や市だけでなく、流域の住民にも参加してもらい、川に関わる「全員」で近年の豪雨水害リスクに備える。

 立間川水系は、流域面積26平方キロメートルの立間川と支流の国安川、河内川、本村川などからなる。西日本豪雨では、排水路から水があふれる内水氾濫(はんらん)によるものも含め、床上浸水1166戸、床下浸水537戸の被害が出た。

 県は川の断面積を広げたり橋を架け替えたりする同水系の整備計画を、今年3月に策定した。だが、吉田町中心部の国安川、河内川を改修する第1期工事の完了に約10年、立間川を改修する第2期工事にさらに約20年かかり、全国的に近年多発する記録的な大雨にすぐ備えることは難しい。改修完了後も上流部分で浸水の恐れは解消しきれず、内水氾濫対策を担う宇和島市との連携も必要だった。このため、同水系に関わる全員が参加する「流域治水プロジェクト」に取り組むことにした。

 プロジェクトは国が主導し、今年3月、全国109の1級水系のプロジェクトを公表。立間川水系を含む2級水系では、全国で12水系が公表された。

 立間川水系のプロジェクトは「住み続けられるまちづくり」を掲げる。県による河川改修や砂防施設整備、宇和島市が行う内水氾濫対策の水路調査のほか、従来の治水対策では守備範囲外である津波・高潮対策も検討事項に盛り込んだ。「雨であれ、津波であれ、住民にとってはハザードマップにある浸水想定がすべて。様々な水害に対応したい」と県南予地方局の担当者は話す。

 さらに、プロジェクトでは自治体だけでなく住民の参加も想定。市は地域や学校での防災出前教室による啓発を強化する。

隣家が全壊「これが現実なのか」

 宇和島市の防災推進アドバイ…

この記事は有料会員記事です。残り611文字有料会員になると続きをお読みいただけます。