全線復旧の願い乗せ、七夕列車出発進行 南阿蘇鉄道

城戸康秀
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 短冊に全線復旧の願い満載――熊本地震で被災した南阿蘇鉄道(南鉄、本社・熊本県高森町)が、車内に七夕飾りを施した初の「七夕列車」を運行している。願い事を託す短冊は、復興応援企画としてオンラインで販売。鉄道ファンらから熱いメッセージが寄せられている。

 2016年4月の熊本地震で被災した南鉄は、全線17・7キロのうち現在も中松―立野間10・6キロが不通のままで、23年夏の全線再開をめざして復旧工事が続いている。

 コロナ禍で観光客の利用も落ち込む中、七夕列車の短冊販売は増収策として企画された。色紙のほか、車両や切符をイメージしたものなど4タイプ7種類(220~1100円)を6月12日からオンラインで発売。和紙に若手社員が手書きしたタイプなど高額な短冊から売り切れ、24日までに完売した。

 1人で6枚という人もあり、短冊は約30人で57枚。15字以内で書かれた願い事をみると、コロナ禍収束の願いなどもある中で「早期全線復旧、心より願う!」「全線復旧祈念 乗りに行きます!」などの応援メッセージが目立った。

 今月11日まで高森―中松駅間で運行され、平日は3往復。トロッコ列車が走る土日は1往復のみになる。

 初日となった6月28日の一番列車に乗り合わせた東京都中野区の田島大輔さん(61)は、「(台風被害から復旧した岩手県の)三陸鉄道のように一日も早く復旧してほしい」。七夕列車を担当する山本英明運転士(26)は「売れるかどうか不安もあったが、皆さんの思いの強さを感じた。改めてがんばっていこうという決意のもとで励みたい」と話していた。

 一方、沿線の活性化を目指す有志でつくる「南鉄応援団」は不通区間も含めて全10駅を七夕飾りで彩る「たなばたステーション」を7日まで開催する。(城戸康秀)