「ハコヅメ」、身上調書でキャラ作る 元警察官の作者

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聞き手・黒田健朗
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 警察官の日常を時にコミカルに、時にシリアスに描く人気漫画「ハコヅメ」がドラマ化され、7日から放送が始まる。作者で元警察官の泰三子さんと、講談社モーニング編集部編集次長の田渕浩司さんに作品が生まれたきっかけや、漫画の「日本の歴史」がルーツという作品の「伏線」、身上調書をとるようにしているというキャラクター作りなどについて語ってもらった。

「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」 モーニング(講談社)で2017年から連載され、これまでに単行本17巻と「別章 アンボックス」が刊行されている。舞台は架空の岡島県警町山署。交番勤務の川合巡査と先輩の藤巡査部長の女性警察官ペアを中心とした物語。7月から日テレ系で「ハコヅメ たたかう!交番女子」としてドラマ化。藤を戸田恵梨香、川合を永野芽郁が演じる。

 ――「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」では警察官の仕事ぶりや日常を伝えています。

 泰 交番勤務などを経験しました。広報系の仕事をしていた時、庁舎見学に来た高校生たちに「警察官になりたい人がこの中にいるかな」と質問したら、ある男の子が「自分は昔なりたかったけど、もうちょっと立派な人間じゃないと警察官にならない方がいいと親に止められたから、やめました」と。

 そのとき自分は何も言えなかったんですが、いい形で警察官の生の仕事ぶりとか、「ハコヅメ」に出てくるような何の特技もない、どうしようもないような人たちが仕事に振り回されつつ、あれやこれや考えながら何とかかんとかやっている、ということが伝えたくて。それで、漫画をモーニングさんに投稿しました。

 田渕 1ページの、コマ割りもしていない原稿が送られてきました。(ハコヅメに登場する交番勤務の)藤と川合がそのまま、2人で立って仕事をぼやいているという、セリフつきイラストという感じでした。元警察官か現職なんだろうなということは作品の端々に出ていて、面白そうだな、と。

 ――漫画家になり、退職されました。警察の仕事に未練はなかったですか?

 泰 警察官としてしたい施策や仕事はたくさんあったんですが、結婚や出産してからの出世スピードを考えた時に、逆算していったら、現職時代に全部やりきれないな、と。だったら、組織を出てやってしまおうかな、と思いました。警察官の身分がなくても、知識さえあればこの仕事はできるな、と。

 ――飲み会中でも「招集は絶対」など、警察の描写もなかなかリアルです。ご自身の体験を反映している部分はかなりありますか?

 泰 若い頃は警察でずっと過ごしてきたし、知り合いも警察官ばかりなので、にじみ出ちゃうのかもしれないです。

 ――読者の声も届くと思うんですが、どんなキャラが人気なのでしょうか。

 田渕 まんべんなくファンはいるんですけど、(司馬遼太郎好きの刑事の)牧高も人気ですし、ツイッターとかを見ると、交通課おじさんコンビに萌えている人もいます。当然、(川合の先輩の)藤、源の両巡査部長も人気。副署長も人気ですよね。

 泰 そうですね、萌えキャラとして(笑)。

 ――川合は山狩りの時、「そのへんで用を足せる犬や男にはわかんないでしょう?」「水を飲まずにトイレ我慢してんです」と。機動隊訓練の時に生理が重なり、大変な思いをする話もありました。女性視点を感じます。

 泰 特に問題提起をしたい、というわけではなくて、読者に20歳の新任の女性警察官の川合というキャラクター目線で警察組織を見てほしいんです。そういうリアルな20歳の女の子の感じを描いて、読者に感情移入をしてほしいという狙いがいちばん大きかったかもしれないです。

変わる女性警察官の環境

 ――泰さんから見た警察というのはどんな組織なんでしょうか?

 泰 難しいな、なんですかね…

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