永井啓子
【京都】その団体の名は「お客様がいらっしゃいました.」という。接客関係? ではない。経済的理由などで生理用品が買えない「生理の貧困」をなくそうと、同志社大や関西学院大の学生らで作る団体で、生理用品の寄付を呼びかけている。
「生理って話しづらい風潮があって『あれが来た』『お客さんが来た』って言い方をする。あえて団体名にして一石投じようと思った」。代表の同志社大大学院修士2年の河野有里子さん(23)はそう話す。団体名の「.(ピリオド)」は英語で生理の意味だ。「表現を濁さなくても、生理のことを口にできる社会にしたい」
活動のきっかけは、副代表の同大3年、仲川侑希さん(21)と4月末の政治心理学のゼミで、生理の貧困について交わしたやりとりだ。「生理のある人がナプキンなどの生理用品を使うことは、当たり前の権利のはず」「生活必需品なのに軽減税率が適用されないのはなぜ」
そこで、仲間を募り、6月から国内外の現状やナプキンやタンポンの寄付募集をSNSで発信し始めた。
メンバーには男性もいる。その一人、同大3年の尾本裕樹さん(20)は「生理の貧困って言葉も知らなかった。でも、男性の理解が必要な問題だ。知識を学び、広めたい」と話す。
今月5日から同11日まで京都市下京区の「ひと・まち交流館京都」2階の京都市市民活動総合センターに、8日からは中京区の市中央青少年活動センターに箱を置き、生理用品の寄付を募っている。母子生活支援施設や、アルバイトが減って経済的に困っている学生らに届ける計画だ。詳細はホームページ(https://periodiscoming.org)やインスタグラム(@periodiscoming)で紹介している。(永井啓子)