日銀、日本株の最大保有者に 3月末でGPIFを上回る

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津阪直樹
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 日本銀行が2020年度末時点で国内株式の最大保有者になった。日銀の持つ上場投資信託(ETF)の保有時価は51兆5093億円で、19年度末まで最大だった年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を約4・3兆円上回った。中央銀行が年金資金より多く株式市場へお金を流す異例の姿に、様々な「ゆがみ」を指摘する声も高まる。

 GPIFが2日に公表した20年度の業務報告書によると、保有する国内株の時価は47兆2273億円。日銀が5月の決算発表で示したETFの保有額より低かった。株高含み益が生じて、日銀もGPIFも時価保有額は急増したが、日銀がより大きく伸びている。

 GPIFは国民の年金資産を安定的に増やすため、国内株式▽海外株式▽国内債券▽海外債券の各資産をバランスよく持つように運用する。国内株の占める割合は全体の25%前後としており、保有分を売ることもある。一方で、日銀は金融緩和策で買い続けており、保有額は増加の一途だ。

 日銀は個別株を直接買っているわけではなく、東証1部や日経平均株価の構成銘柄にETFを通して幅広く資金を投じている。株式を裏付けとする資産を中央銀行が買うのは極めて異例。保有額が膨らむほど副作用やリスクも増す。

 日銀は株主総会での議決権行使を資産運用会社へ委ねており、企業に経営改革を促す資本市場の機能が損なわれるとの批判がある。株価が急落すれば日銀が政府へ納めるお金が減り、実質的な国民負担にもつながりかねない。

 日銀自身も3月に公表した金融緩和策の点検で、これらの点に言及。残高がさらに増えるにつれ、影響や懸念が大きくなる可能性を認めた。日銀内からも「ETFなどの残高の増加ペースを極力抑制していくことが望ましい」(鈴木人司審議委員)との声があがる。実際、日銀は5月は「異次元緩和」後初めてETF買い入れに一度も動かなかった。

 日銀がETF購入を決めたの…

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