マネジャーも「自主練」 応援されるチームになるには

木村浩之
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 自分への怒りから筆圧が強くなってボールペン先を折ってしまったことがある。あまりに情けなくて「あー」とか「なんでー」とだけ書いた日もある。

 昭和(西東京)のマネジャー森岡美羽(みう)さん(3年)は野球日記をつけている。A4サイズのノートに書きなぐる。ストレス解消のためと、書き留めて、あとで反省材料にするため。チームのスローガンは「目標は甲子園、目的は人間形成」。失敗を糧に成長したいと1年生のころから書き続ける。

 中学時代は硬式テニス部員で、野球に興味はなかった。でも、中学3年の夏に高校野球と出会った。

 二つ上の姉が高校のチアダンス部で、夏の大会で応援する姿を見に行った。点が入ると、隣の知らない人と肩を組んで校歌を歌う。一体感に魅了された。そして、応援席に水を配り、大粒の汗を額に浮かべて走り回るマネジャーの姿が「かっこよかった」。私もなる、と決めた。

 その日の記憶から、周囲から応援されるチームに成長したいと思っている。

 1月の緊急事態宣言後は自主練習が続き、マネジャーの仕事も減った。「応援されるチーム」になるためには、何をするべきか。マネジャーの「自主練」のあり方を自問自答した。

 新学期になり、各学級の写真撮影があった。放課後、撮影担当が後片付けしているのが目に入り、手伝いに行った。他部の女子が大きな荷物を抱えていると、知らない生徒でも「持ちますよ」と声をかけた。

 「支え合いの精神を持つことで部に関心を持ってくれる人が増えるかも」というのが、自分なりの答えだった。コロナ禍では、吹奏楽や大声の応援は制限される。でも、少しでも理解者がいれば選手の力になる。

 「甲子園に行ける。勝つためには何が課題か」。そんなことを野球日記に書ける日が来るだろうか。最後の夏が、始まった。(木村浩之)