産油国閣僚会議中止で原油高 減産幅縮小まとまらず

ロンドン=和気真也
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 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの産油国でつくる「OPECプラス」は5日、予定していた閣僚級会議を取りやめたと発表した。8月以降に協調減産幅を縮小する方向で調整するはずだったが不調に終わったことで、原油価格が上昇している。

 ニューヨーク商業取引所では、指標となる「米国産WTI原油」の先物価格が一時、2018年10月以来2年9カ月ぶりに76ドル台後半をつけた。

 OPECプラスは当初、1日に閣僚級会議を開く予定だったが事前協議がまとまらなかった。2度の延期で5日の開催をめざしたが断念することになった。

 OPECプラスでは、コロナ禍の需要減に対応するため、昨春に世界の供給量の1割にあたる日量970万バレルの協調減産体制をとった。今年に入りこれを徐々に緩和し、減産幅は7月に日量約580万バレルまで縮めてきた。

 ロイター通信などによると、サウジアラビアやロシアが中心となり、合意に向けた案はつくられていた。8月以降に日量40万バレルずつ増産して、協調減産幅を年末までに日量200万バレル分縮めるものだ。一方で、来年4月末までとしてきた協調減産を来年末まで続ける案も協議されたが、これにはアラブ首長国連邦(UAE)が反対した。

 新型コロナワクチン接種が進み、石油需要の先行きは好転している。ただ、変異株によって経済が悪化し、需要が再び減ることへの警戒は根強い。米国とイランの核合意をめぐる協議の行方次第でイランへの経済制裁が解除され、イランの生産分が国際市場に加わる可能性も指摘される。(ロンドン=和気真也)