活動家役の桃井かおり ロスでは「生活に手を抜かない」

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弓長理佳
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 桃井かおり(70)が米ロサンゼルスに拠点を移して約15年になる。俳優だけでなく、映画監督を務めるなど第一線での活躍を続けているが、コロナ禍で生活は一変した。8日開始のドラマ「緊急取調室」(朝日系、木曜夜9時)の初回に、50年間の潜伏期間を経てハイジャック事件を起こす活動家役として出演するのを機に、「仕事より生活を取る」「ご飯をきっちり作る」という、ロスでの日々の暮らしや今後の生き方について話を聞いた。

 「年を食うっていうのは確実に、あっという間にやってきて、私もそうだけど、若くて勢いのある“かおりちゃん”みたいな時間から、あっという間におばあさんになるわけじゃない。そのきつさ。私が経験したものをすべて今回の役に持っていくっていう形ですかね」

 今回演じるのは、19歳の時の演説が伝説化し、「黒い女神」と呼ばれた活動家・大國塔子だ。50年の潜伏期間を経てハイジャック事件を起こし、真壁有希子(天海祐希)から取り調べを受ける。

 もともと、「会話がおもしろくて、テーマが深いところにある」という脚本家井上由美子の作品が好きで、同作も見ていた。そして「真壁に会いたかったんですよ。取り調べ受けたいなって。天海さんとは前に飲んだことがあって、一緒に飲んでいてもこんなに気持ちいい女はいないので」。コロナ禍のなか、来日を決めた。

 活動家を演じるにあたり、自身の経験にも思いをはせた。

 桃井の若い頃にはまだ学生運動があった。「私も本当に一回だけデモに参加したことがある。あの時の演説の音とか、学生さんたちの実存をかけて、というようなしゃべり口とか、そういうのが非常に印象が強かったので、まだ覚えている」

 そしてもうひとつ、“時間”というテーマが思い浮かんだ。

 ロサンゼルスでは、ロックダウンのため1年4カ月間、最低限の買い物をするほかは自宅で過ごしたという。その状況を大國の境遇と重ねた。「50年こもってたってことは時間が一種止まっているという感じ。コロナ禍で、私も外に出ないで人に会わずに過ごしてたんですよ。そのときに私が感じた時間が止まって世間と隔離された状態のなかで、どういうものが体の中から出てくるかっていう経験をしたので、時間を止めて生きた女の人の時間の重さ、みたいなものを描く」

 時間を止められた中で頭に浮…

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