接種完了の高齢者施設、面会再開できる? 政府の方針は

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石川友恵
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 高齢者施設の入居者や従事者が新型コロナウイルスワクチンの2度の接種を終える例が増えるにつれ、施設が頭を悩ませているのが、かつての日常生活を接種後、どこまで戻していいのかという点だ。クラスター(感染者集団)の発生や重症化を防ごうと続けてきた家族らとの面会や外出の制限はどこまで緩めるのか。政府はいまだ方針を示しておらず、各施設は手探りで対応している。

 群馬県高崎市介護老人保健施設「老健くろさわ」では、多くの入居者や職員が5月中に2回目の接種を終え、今月6日から面会を再開することにした。ただ入居者と家族の間にはアクリル板を設置し、面会できる家族の人数は制限するなど条件をつけた。並行してオンライン面会も実施していくという。

 青木ゆかり副施設長は「制限を緩和していくための環境作りも大切。入居者の家族には系列の病院でワクチンを接種できることを案内するなど対応を進めてきた」と話す。感染リスクを考え、控えていた通院もできるようになるなど、接種後は少しずつ生活に変化が出ている。

 一方、京都府内で介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人「七野会」でも、早い人で5月末に2回目のワクチン接種が完了した。コロナ禍以前は、外部からのボランティアを招いて歌うレクリエーションを楽しんだり、外出したりしていたが、井上ひろみ理事長は「ワクチンを打っても以前の生活に戻るのは難しいと思う」と話す。

 感染力が強いとされるデルタ株が広がりつつあるうえ、6月に1回目のワクチン接種を終えた静岡市の高齢者グループホームでクラスターが発生したことが気がかりになっている。今後も、面会はオンラインで対応するつもりだという。

 井上理事長は「家族に会えず…

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