オリンピックの「公益性」は後づけ不可です、お忘れなく

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編集委員・高橋純子
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記者コラム「多事奏論

 開廷35分前、東京地方裁判所には傍聴整理券を求める人の長い列ができていた。すごいなこんなに関心が高いのか。感心しつつ最後尾につき、いよいよ券を手にして気づく。自分が今、AV出演者の顔を女性芸能人にすり替え配信した「ディープフェイク」事件への判決傍聴希望者となっていることに。違う違う、そうじゃない。

 気を取り直してすいすいすいてる103号法廷へ。昨年1月の当欄で書いた、映画「宮本から君へ」の助成金をめぐる裁判の判決。出演者の一人が麻薬取締法違反で有罪となったため、文化庁所管の日本芸術文化振興会(芸文振)は「公益性」を理由に助成金の不交付を決定、制作会社がその取り消しを求めていたのだが、さて。

 「助成金を交付しない旨の決定を取り消す」

 すっぱりと原告勝訴。なのに河村光庸社長はひたひたと怒っていた。言葉を踏みにじり無力化している、今の政府と社会に。

 「文化芸術における公益性と…

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