高校野球の監督は元楽天コーチ データと説明力を駆使

中野渉
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 真岡(栃木)の小山隆司監督(40)は異色の経歴を持つ。2006年から8年間、プロ野球・楽天で、体調管理などを担うコンディショニングコーチを務めた。大リーグで活躍した田中将大投手も指導し、いまでも交流が続いている。

 感覚よりもデータを重視する。トレーニングの効果や投球の回転数など具体的な数値を示して、体をどのように動かせば、どういう効果が得られるか、かみ砕いて教えていく。

 1月、小山監督は宇都宮市のとちぎスポーツ医科学センター(TIS)に選手たちを連れていった。昨年5月に開所した最新鋭の機器を備えた施設だ。22年のとちぎ国体に向けて県が整備した。

 各選手のバットのスイングスピードや軌道、投球の速度や回転数などを計測した。数値化されたデータをもとに、小山監督は選手と個別に面談し、自ら考えて野球をするようにアドバイスをした。

 江面奏汰主将(3年)は「アッパースイングの癖があると指摘された。癖を直すと言うより、それをいかすために、今は試行錯誤しています」と話した。

 昨春、コロナ禍で休校になった際には、動画や写真をふんだんに使い、投球や打撃、守備の技術解説やウェートトレーニングの取り組み方、コミュニケーション手法などについて体系的にまとめた。内容は13回にわけて学校ホームページにアップした。

 小山監督は教師に転じる前、米国で1年半、野球を見てきた。そこで感じたのはコミュニケーションの大切さだった。将来、教師を志望している中島知樹選手(3年)は「チームの士気の上げ方などが参考になった。監督にはもっと反応を素早く、そして自分を出していいと言われる。自分が野球を教える時に役立つと思う」。

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 コロナ禍で今市工(日光市)はスマホを最大限に活用してきた。

 オンライン会議システムの「Zoom」で、昨年秋から管理栄養士の指導を受けている。片道1時間半かけて通学する水沼陽哉主将(3年)は帰宅すると夜10時近いことが多い。いつも空腹との戦いだ。管理栄養士に、いつどのように食べたらいいか質問した。

 「練習後にコンビニでおにぎりを買ってとりあえずおなかに入れて、帰ったらおかずを食べてバランスを取るように言われた。気軽に話せた」

 冬場は栄養にも気を使い体づくりに力を入れた。水沼主将も40キロ台だった体重が53キロに増え、打球も鋭くなった。

 栄養士だけでなく、アイスホッケー栃木日光アイスバックスの選手の講話会を開いたり、トレーナーを招いたり、スマホを通じて外とつながり、新しい知識や技術を積極的に取り入れた。大島拓也監督(29)は自主トレや野球知識に役立ててもらおうと、記事や動画を選手たちに送ってきた。

 「スマホはゲームのためというよりも、本来はコミュニケーションをとるためのもの。コロナの中、そういったツールの有効活用も大切になる」中野渉