コロナ理由に全員解雇 タクシー運転手ら無効訴え提訴

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布田一樹
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 新型コロナウイルスによる業績悪化を理由に整理解雇したのは無効だとして、福岡県志免町にあったタクシー会社の元乗務員17人が6日、会社に対し、労働者としての地位確認と賃金支払いなどを求めて福岡地裁に提訴した。原告側は「様々な支援制度があるのに、会社は雇用を守る努力をしていない」と訴えている。

 訴状によると、会社は昨年4月22日、全従業員約40人に翌23日から同5月31日までの休業を通告。営業を再開しないまま5月下旬に全従業員に6月30日付での解雇を通知した。「コロナが蔓延(まんえん)し、主に観光客や外国人客による売り上げが見込めなくなった」と説明したという。

 原告側は、国が休業手当の一部を助成する雇用調整助成金約530万円を受け取る前に解雇を決めたとし、「解雇を回避する努力義務を果たしていない。整理解雇の要件を満たしておらず無効」と主張している。

 解雇をめぐっては、原告らが昨年7月、地位確認などを求めて福岡地裁に仮処分を申し立てたが、係争中だった昨年12月に会社は廃業。地裁は今年5月、解雇は廃業を理由としたもので「整理解雇には該当しない」とし、申し立てを却下していた。

 原告側の中原昌孝弁護士は「コロナ禍による解雇を防ぐための手厚い支援制度があるのに、早期に解雇を決めてしまったのは問題だ。コロナによる整理解雇が増える中、『廃業による解雇』を簡単に認めれば、労働者保護ができなくなってしまう」と指摘する。

 一方、会社の代理人弁護士は朝日新聞の取材に「もともと財務状況が悪化していた上に、コロナの影響で業績回復の見込みがなくなった。従業員や取引先に迷惑をかけるため、廃業という決断をしたのはやむをえない」と説明した。

 厚生労働省によると、コロナの影響で解雇や雇い止め(見込みを含む)をされた人は、7月2日現在で累計10万9198人にのぼる。

■「紙切れ一枚で解雇」…

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