東電福島第二原発、廃炉作業が本格化 報道陣に初公開

小玉重隆 笠井哲也
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 東京電力福島第二原発福島県富岡町、楢葉町)で進められている廃炉作業について、東電は6日、報道陣に初公開した。廃炉作業は44年かかり、2064年度の完了を目指している。

 この日、公開されたのは1号機の原子炉建屋内での除染作業。核分裂の反応を抑える制御棒の引き抜きや挿入を行う設備を点検する「CRD補修室」で、防護服姿の東電の社員ら12人が高圧洗浄機を使い、水槽の配管などを除染した。

 廃炉作業は6月23日に始まった。作業は4段階に分かれ、30年度までの第1段階は施設の除染などが中心で、準備期間と位置づけられる。三嶋隆樹所長は「廃炉をしっかり進めるには地域の皆様の理解、信頼、これが第一。社員一同、しっかりと肝に銘じて安全、着実に作業を進めたい」と述べた。

 第二原発では計9532本の使用済み核燃料を保管し、地元は廃炉完了までに県外への搬出を求めるが、めどは全く立っていない。また、事故を起こした福島第一原発を含む10基の廃炉を同時に進めることから、作業にあたる人員の育成や確保、災害時の対応などが課題となる。(小玉重隆、笠井哲也)

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