東芝問題に介入「クロに近い」 経産省は「失敗」検証を

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聞き手・伊藤弘毅
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 東芝の経営陣が昨夏の株主総会をめぐって主要株主の投資ファンドに圧力をかけたとされる問題では、経済産業省の関与や、問題が表面化した後の対応にも批判が出ている。電機メーカーの経営や政府の産業政策を研究する中田行彦・立命館アジア太平洋大名誉教授に、この問題や政府と企業との関係などについて聞いた。

 ――6月にあった東芝の株主総会で、経営側が提案した取締役2人の人事案が否決されました。

 「日本の企業統治の歴史において、画期的なできごとです。このことは、東芝経営陣による一部株主に対する圧力問題についての外部調査結果が、多くの株主から支持されたことも意味します」

官民の関係に「グレーゾーン」

 ――外部弁護士による調査報告書では、東芝の「もの言う株主」対策に、経産省幹部も関わったことが問題視されています。

 「『もの言う株主』が選んだ弁護士らによる調査は、電子メールを復元・解析する『デジタルフォレンジック』など、最新技術を駆使したことで可能となりました。その結果、経産省幹部と東芝経営陣との、監督官庁と企業の垣根を超えた関係が明らかになりました。前身の通商産業省は『指導』や『自主規制』といった手段を駆使して、戦後復興などに成果をあげてきました。戦後の日本の競争力強化に政府が重要な役割を果たしたことは、亡くなったハーバード大名誉教授のエズラ・ボーゲルさんも著書『ジャパン・アズ・ナンバーワン』で言及しました。政府が産業政策を行うには、企業との協力は不可欠です。官民関係に『グレーゾーン』はありますが、その内実がここまではっきりと表に出ることは過去にありませんでした」

 「東芝は原発や安全保障に関わる技術を扱い、昨年5月施行の改正外国為替及び外国貿易法外為法)の規制対象となる会社です。とはいえ、報告書に描かれたような、外為法を直接所管しない部署の幹部が議決権行使を阻止しようと株主に自ら働きかける行為は、『グレー』というより『クロ』に近いでしょう」

 ――問題点を指摘されても、経産省は独自の調査はしない姿勢です。

 「車谷暢昭・東芝前社長は…

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