残されたメモから見えた父・赳夫とは 福田康夫元首相

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聞き手 編集委員・三浦俊章
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 6月末に岩波書店から刊行された『評伝 福田赳夫』(五百旗頭真監修、井上正也/上西朗夫/長瀬要石)は、同時代のライバル・田中角栄との「角福戦争」の敗者として従来位置づけられがちだった福田赳夫元首相を、その理念と政策に焦点を当て、歴史的文脈で見直す労作だ。非公開だった福田メモを提供し、実証研究への道を開いた長男の福田康夫元首相に、今回の評伝に対する思いを聞いた。

 ――これまで未公開だった福田赳夫元首相のメモを提供されたそうですが。

 「福田赳夫の自宅の居間に小さなノートが置いてある。そこに、人と話した内容や思いついたことをメモしました。縦15センチで横10センチくらいの、普通の事務用ノートです。ちょっと時間があるとそのノートを取り出してつけていたようです。毎日、時間はありませんでしたから、合間をみてつけていたのでしょう。このメモは、もちろん人に見せるためではなく、備忘録のようなものでした。将来公開されるとも思っていなかったでしょう」

 「福田は人間としては正直で、信念の政治家だったが、残されたメモを見ても、その通りの表裏のないことがよくわかる。客観的な研究に多少とも役立つならと思い、そのまま見てもらいました。ふつうこのようなものを公開するときは克明にチェックをするのだと思いますが、そういうことはしませんでした。あるがままの姿を記述してほしい。事実を書いてほしいと、お願いだけをしました」

 ――メモを見て、意外な発見はありましたか。

 「特別の意外性はありません…

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