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病床逼迫の沖縄 「切り札」の訪問看護で攻めのケア

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山田佳奈
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 新型コロナウイルス緊急事態宣言が、全国で唯一続く沖縄県。病床逼迫(ひっぱく)が長引くなか、県は自宅療養者や入院待機者の家を看護師が訪ね、容体をチェックする訪問看護に力を入れてきた。地域に通じた医療スタッフを有効投入して病状急変に備える訪問看護は、コロナ禍で命を守る「切り札」として今後さらに重要性が増しそうだ。

 5月下旬、沖縄県うるま市訪問看護リハビリステーション・happiness(ハピネス)に、地元の医師から連絡が入った。「高齢で発熱している。呼吸状態が心配なので様子を見にいってくれないか」。自宅療養中のコロナ患者の容体が良くないようだ。

 事務所から車で20分ほど。海沿いの患者宅に着くと、看護師の宇茂佐(うもさ)勇磨さん(27)は庭先で防護服を着て玄関に入っていった。

 患者は80代。過去に肺炎を患い、持病もあった。県が配布した血中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターの数値を確認し、聴診器で呼吸状態を確かめた。

 熱が38・7度あり、医師が処方していた解熱剤を飲ませ、熱がさらに上がったり呼吸の様子が変わったりしたらすぐ呼ぶよう伝えた。「年齢や既往歴から考えると本来なら入院した方が安心な患者さんだが、ベッドに空きがない。少しの変化も見落とせません」。宇茂佐さんはそれから2週間、毎日自宅に通い続け、ほどなく熱は下がり、緊急入院には至らなかった。

 沖縄県の新規感染者は5月の大型連休明けから急増し、23日に緊急事態宣言の対象に加えられた。29日には、過去最多の335人の感染を確認。6月上旬には自宅療養者が1300人を超えた。6月半ばになってようやく新規感染者が2桁になったが、重症病床使用率や人口10万人あたりの療養者数は依然、政府の分科会が示す区分で最も深刻なステージ4(感染爆発)の基準を上回る。

 病床に空きがなければ、自宅療養者や入院待機者が増える。自宅で容体が急変した場合、患者はすぐに適切な処置を受けられないなど命にかかわるリスクを負う。訪問看護はそんなリスクを回避するため、医療スタッフ側から患者宅を訪ね、医療機関と連携して取り組む「攻め」のケアだ。

 県が訪問看護に本腰を入れ始…

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