五輪ボートシングルスカルに荒川龍太選手25年ぶり快挙

加藤真太郎
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 東京五輪のボート男子シングルスカルの代表に、埼玉県戸田市在住の荒川龍太選手(26=NTT東日本)が選ばれた。体重無制限の同種目への日本選手出場は1996年アトランタ五輪以来25年ぶりの快挙。自身初の五輪レースとなる予選は初日の23日で「決勝進出、6位以内」が目標だ。

 横浜市出身。全国屈指の進学校、聖光学院中学・高校から一橋大法学部へ。中・高とバスケットボール部だったが、入学後のキャンパスで「日本一を目指せる」という先輩の勧誘に心を動かされ、伝統ある端艇部(ボート部)に入った。

 大学時代は全日本選手権などにエイトでも出場。2016年の世界選手権(U23)で男子軽量舵手なしフォアで5位に入るなど実績を重ね、世界で戦える手応えを感じ、「もう一歩上を目指したい」と名門・NTT東日本に進んだという。

 シングルスカルでは17年世界選手権18位、18年アジア大会銅メダルと頭角を現し、五輪会場の「海の森水上競技場」(東京都江東区)で6月に開かれたアジア・オセアニア大陸予選の決勝で優勝し選出された。

 身長185センチ、体重86キロ。体重はボートを始めてから16キロも増えたという。日本では長年、海外選手との体格差から、軽量級種目を中心に強化してきたが、「日本選手が重量級でも戦えることを証明したい」。そんな思いも夢舞台の切符をつかむ原動力になった。

 戸田ボートコースは1964年の東京五輪の会場になり、コース沿いに多くの大学などの艇庫兼合宿所が並ぶ。「全日本」の冠がついた大会も多く開かれ、戸田は日本ボート界の「聖地」だ。荒川選手も大学1年秋から戸田に住み、コースや荒川での乗艇練習は多い日で40キロに及ぶという。

 先月、五輪代表入りの報告に、菅原文仁市長を訪問。「戸田にボートがあることを市民の皆さんに誇りに思ってもらえるよう、力を100%出し切りたい。レース中盤のスピードが落ちない粘り強い漕ぎを見て欲しい」と抱負を語った。

 準々決勝、準決勝などを経て、決勝は29~30日。(加藤真太郎)