女子野球を盛り上げたい ユーチューバーになって描く夢

聞き手・小林太一
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 女子高校野球が盛り上がっています。1997年から始まった夏の全国大会はこの10年間で出場校が増え続け、今年は過去最高の40校が参加します。兵庫県丹波市で7月24日に開幕し、決勝は8月22日に初めて阪神甲子園球場で開かれる予定です。女子野球界を盛り上げている選手たちに、競技の課題や未来を聞きました。

ユーチューバー・笹川萌さん

 父親が監督をしていた地元のチームに入ったのが小学2年生のとき。サンタさんからグラブが届いて野球人生が始まりました。区大会などで何度も優勝しました。中学は部活に女子野球がなく、軟式のクラブチームに。学校が終わると待機していた親の車に乗って。高速道路で30分かけて練習に通いました。

 中学のとき、チームに女子は私だけ。最初は男子の輪に入るのが難しかった。ご飯は1人でぽつんと食べていました。合宿は大部屋だけど、私だけ親と同じ部屋。でも、きつい練習をしていくと自然と壁がなくなった。今も交流があるぐらい仲良くしていました。女子野球は高校からです。家から通える学校を選んだ。2年生までは軟式で、3年から硬式野球部になった。

 甲子園はうらやましかったです。女子もプレーできたらいいなとずっと思っていた。高校生の頃は女子のチーム数が少なくて。ソフトボールの経験しかなかったり、中学はプレーしていなかったり。今年、甲子園で決勝ができるのは、本当によかったねって思います。これまで女子野球に関わってきた人たちに感謝したい。

 野球は大学4年間で燃え尽きたつもりでした。楽しかったけど、肩をけがして。強い大学だったので、周りは上手な選手ばかり。負けたくないと投げすぎました。卒業後は都内で会社員。昨年末に退職するまで3年間働きました。野球と離れた生活でした。

 ある日、誘われた草野球で相手チームに野球ユーチューバーさんがいたんです。その試合で活躍して声をかけられた。ユーチューブを始めたのは2月。出た動画の再生回数が100万、200万と増えたとき、自分に女子野球を広める力があるなら、できるかぎり盛り上げたいと。それがモチベーションです。

 満員の甲子園で女子の試合があり、テレビで中継されるようになってほしい。高校や大学のチームが増えてプロがある。そんな環境が生まれるように裾野を広げたい。選択肢が増えれば進路も限られず、優秀な選手の受け皿ができます。

 埼玉西武ライオンズ・レディースや阪神の女子チームが発足して女子野球は変わってきた。SNSで認知してもらう努力をする選手が増えています。応援したいと思える選手がもっと出てくればいい。プロ野球の始球式で投げたいです。チャンネル登録者数は10万人をめざしています。(聞き手・小林太一)

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 ささがわ・もえ 横浜市出身、1995年生まれ。小学2年から投手として野球を始め、中学はクラブチームでプレーした。横浜隼人高(神奈川)の1、2年時に軟式の女子野球で全国制覇。尚美学園大硬式野球部では大学選手権で優勝した。現在はAmazingに所属。