盛り土、県幹部「不適切な開発行為は明らかでない」

玉木祥子、黒田壮吉
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 静岡県熱海市伊豆山で起きた土石流の最上流付近にあった盛り土の開発について、県の太田博文危機管理部長は6日、「いまの段階では不適切な行為は明らかになっていない」との見解を示した。盛り土が土石流の原因になり得る危険性の認識もなかったという。

 太田部長が報道陣の取材に応じ、「盛り土が原因というよりも、一義的には異常気象が被災の原因だと思っている」と説明した。「どういう許可に基づいて開発されているのかは確認が必要だが、通常それらが適切に行われていたということであれば、不適切だったという前提に立つことはない」と話した。

 県によると、崩落した土地の最上位部分には開発に伴う盛り土があった。2010年以降の国土交通省のデータなどから、盛り土は約5万4千立方メートルあったと推定され、この盛り土を含めた10万立方メートルが崩落した可能性があるとしている。この土石流で計122戸が被害を受けた。

 盛り土が崩れて土石流が大規模化したと県はみているが、盛り土が土石流の原因になり得る危険性について、太田部長は「危険性を認識していたら、放置しておくということはあり得ない」と語った。

 今後、県は専門家らによる検討会などを立ち上げ、盛り土と土石流の関連を調べる方針だ。

 一方、県は6日、二次災害を防ぐために応急対策を検討する委員会(委員長・今泉文寿静岡大教授)を立ち上げると発表した。7日に委員会を開き、下流部に土砂を止める装置を設置するなどの対応を決める。

 県によると、土石流の起点付近には小規模な崩落の恐れがある土砂の裂け目(クラック)が確認されるなど、二次被害が懸念されている。現在は、土石流の最上流部付近に地滑り監視センサーを設置し、監視カメラなどで常時観測しているという。県は委員会で方針が決まり次第、応急対策に取りかかる。

 県はまた、安否不明者の氏名をHP(http://www.pref.shizuoka.jp/kinkyu/atami_list.html別ウインドウで開きます)に公表している。(玉木祥子、黒田壮吉