児相保護の2歳児、親に5カ月面会させず「大きな問題」

井石栄司
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 堺市の子ども相談所(児童相談所)が2019年、児童虐待の疑いがあるとして保護した2歳男児(当時)を、両親と5カ月間にわたり面会させなかった対応について、市は5日、有識者による検証報告書を公表した。保護は「妥当」としたものの、明確な理由なく親子の面会を長期間制限した対応は「大きな問題」とし、改善を求めた。

 市や両親側の代理人によると、19年12月末、男児は首に16センチのけがを負い、児相に保護された。両親は「母親の髪の毛が巻き付いた」と説明したが、児相側の法医学鑑定で、「考えがたい」とされた。

 20年3月、両親側の法医学者が、海外の事例を元に髪の毛が首に絡まりけがをする「ヘアターニケット症候群」とする鑑定書を作ったが、家裁は一時保護の延長を決定。両親が子どもに会えたのは同5月、帰宅できたのは同12月だった。

 一連の市の対応について、市が設けた外部の有識者による検証部会(部会長・才村純東京通信大教授)は、命に関わるけがであり、虐待の有無だけでなく、養育環境も調べる必要があったため、保護は「妥当」とした。

 一方、愛着形成に重要な時期だったことも考え、親子の当然の権利である面会を制限するのは、「例外措置」であるべきだとした。その上で、明確な根拠を示さないまま、5カ月間面会させなかったことを「最大の課題」と指摘した。

 また、子どもの写真を見せて欲しいという両親に、写真も見せなかった市の姿勢も問題視。「両親の心情に沿った対応をすべきだ」とした。一時保護で設定される最初の2カ月の間に、「養育支援の道筋を示すべきだった」とも指摘した。

 虐待の有無については「よくわからない」(才村部会長)として踏み込まなかった。

 市は、報告書を受けて、面会の適否を検討するチェックシートを作り、週1回の会議で検討するなどの再発防止策をまとめた。

 永藤英機市長は6日の定例記者会見で、一時保護自体は必要だったとしたうえで、「写真を見せたりオンライン面会だったり、よりよい進め方があった。(市の対応に)反省すべきところもある」と語った。(井石栄司)