千席以上ホールがゼロの徳島 吹奏楽コン異例の県外開催

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斉藤智子
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 全日本吹奏楽コンクール徳島県大会(県吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)の小・中・高校部門が、今夏は異例の県外開催となる。30年以上にわたり毎年会場となっていた鳴門市文化会館が、4月から耐震改修のため休館。県内に他に開催条件に合うホールがなくなったためだ。県と徳島市が計画している県立の新ホールが2026年に供用開始されるまで、県外開催が続く見込みだ。(斉藤智子)

 県吹奏楽連盟によると、吹奏楽コンでは最大65人が演奏し、ティンパニやマリンバなど多くの打楽器も配置できる広さのステージが必要。また狭い空間では音が強くなりすぎて演奏の適正な審査ができないため、座席数も千席以上が望ましいという。

 徳島市には大型ライブも行われる「アスティとくしま」もあるが、広すぎて音響面でコンクールに向かない。連盟の役員らには「子どもたちには、いい会場で、低年齢からよりよい音楽体験を重ねてほしい」との思いがある。

 吹奏楽コンならではの事情もある。会場では各団体が次々にチューニング(音合わせ)をし、楽器を積むトラックや出演者の大型バスが頻繁に出入りする。チューニング専用の部屋や車の待機場所が欠かせない。連盟は県内開催を模索したが、ホールや駐車場などの条件を満たす会場はなく、県外開催を決めた。

 8月2~4日の小学校・中学校・高校部門の会場となるのは、おとなり香川県の最西端にある観音寺市民会館ハイスタッフホールだ。香川県内には、ほかにも条件を満たす会場があるが、香川の吹奏楽コンと日程が重なるなどの事情があり、駐車場も利用しやすく吹奏楽コンの会場として適した観音寺市民会館で開くことになった。来年以降も、徳島市に新ホールが完成するまでは観音寺市民会館で開催する方針だ。

 最も遠い阿南市の出場校の移動時間は2時間半~3時間程度となるため、午前中の演奏開始時間を従来より遅い午前10時20分にする。連盟の松浦孝憲理事長は「子どもたちがいい演奏ができることが第一。本当は県内で開催したいが、狭い会場でやって事故が起きてはいけない」と話す。

 新型コロナウイルスの影響で、今年は関係者のみの無観客開催。来年以降、保護者が来場することを考えても、一般向けの駐車場も確保できる観音寺市民会館は条件を満たした会場だ。

 8月8日の大学・職場・一般部門は観音寺市民会館の予約が取れず、県内で開く。会場は阿波市交流防災拠点施設アエルワ(645席)。チューニング室を確保できないなどコンクール会場としての条件は厳しいが、出場が4団体と少ないため、演奏直前にホールでチューニングするなど工夫を凝らす。審査員は、チューニング時間は退席し、審査は2階席の可能な限り後方から行うという。

 徳島県内には現在、千席以上の公共の音楽ホールがない。耐震性の問題で休館や閉館が相次いだほか、徳島市内の新ホールの建設を巡ってごたごたが続き、開館予定が大幅に遅れたことが原因だ。

 1280人収容のホールがあった徳島市文化センターは耐震不足を理由に2015年に休館(17年に閉館)、1008席のホールがあった阿南市市民会館も18年10月から利用を休止し、今年、解体方針が決まった。

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 今年4月には、県内随一の規模の1480席のホールがあった鳴門市文化会館が耐震改修のために休館した。徳島市に1800~2千席規模の県立ホールが建設されることを踏まえ、ホールの適正規模を改めて調査したうえで耐震改修する計画といい、利用再開時期は見通せない状況だ。

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